ごめん






ごめん。


昔、君の事いじめてた。


君をいじめてたのは、クラスぐるみだった。


蹴ったりしてた。


ちょっと力入れて肩殴ったりとかしていた。



でも、君はそれ以上のことをされてたんだ。


些細な失態でクラス全体で責め立てたり。


一時期無視してたりもあった。



中学に上がると、私が標的にされた。



体育館で、休憩時間にバレーボールが一杯飛んできた。



いくら投げ返しても、1:4。




遠くに逃げて、私をノーコン扱いしては、また戻って投げてくる。


ついに、体育館に行く事をやめた。




ふと思った。


君は、これ以上のことをされている。

それでも、君は明るい。


楽しげ。




いじめに合う原因だった、ちょっと嫌なところは変わってない。


けど、高校に上がってから、高校違うけど会うと結構良く話す。



今なら何てこと無い、ちょっと気になる嫌なトコが原因だったんだ、ってのがそのとき分かる。


そんなことで、いじめてた。

しかも、クラス全体で。


君は、責め立てられたときに学校を飛び出した。



でも、戻ってきた。

公に休んだ事は風邪ぐらいだ。

そうして今は、笑ってる。




君は、なんて強いんだろう。


私、なんて弱いんだろう…そう思えた。




自分被害者だって思ってたけど、それ以前に加害者でもあるんだ。


直しようが無いトコ責められてもこまるよね。

ついしちゃうクセで責められるのって辛いよね。




高校でもあった、私に対するいじめ。

些細なものだったけれど。


体育館シューズ、微妙に隠されてただけだけど。


小学生のときからの友達は『許せない!』って言ってくれた。




でも、そのときも思い出した、昔の事。




そのとき思った。



あの時の君には、表向きに「許せない!」って言ってくれる人が居たのかな。



殆どクラスぐるみだったから、居なかったんじゃないか。


みんな見て見ぬ振りしてたんじゃないか。



そう思うと、尚更申し訳ない。




ごめんね。



一緒に背負う事ができなかった。

かばえなかった。



怖かったんだ。



たまに勇気を振り絞って出来たのは、きりのいい初期段階で「その辺でやめといたら?」って言う事だけ。

それすら、毎度は出来なかった。



ごめんね。





怖かったんだ、今度は自分じゃないかって。




今度は私が、「許せない!」って言ってあげられる、そんなニンゲンになるから。





臆病者の私だから、公に止められないかもしれないけど。




でも、君のおかげで、被害者だけじゃなくて加害者になれた。



語弊だけれど。


こんな言葉間違ってるって分かってるけど。




「加害者」の経験なんて、なければいいんだけど。







でも、もう消せない。




10年以上昔とはいえ、間違いなく、してしまった事だから。





だったら、せめてそれを生かそう。






君のあの時の綺麗な思い出を、邪魔したのだから。






二度としない。



どちらもごめんだ。



そんなものを見てしまったら、出来る限り、自分で止める。



二度と、どちらも見ないように。









それが、君の嫌な記憶を作った私の、義務だと思うから_____________

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とある方の独白を見ていて、とても考えさせられたと同時に、イヤだけど大切なことを思い出した。
私は、これを忘れずに生きて行きたい。

※実話です。



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